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新築工事現場よりレポート⑥

昨日、色々と建物の構造的な説明を調子乗って書いてみましたが今日二階が組みあがってから気がつきました。二階の構造の説明をするには足場を上り二階に上がらなければならないということに。そしてその瞬間私には目の前の建物が剣山とかより高く感じました。

なのでここからは二階の写真を仁木さんに撮影していただくことになります。とりあえず棟上げがあったのでその説明をさせていただきます。

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紫色の服を着ているのはうちの大工さんで、その奥にいるのが若木部長です。

「上棟式(じょうとうしき)とは?」

新築の際に行われる祭祀のひとつで棟上げ(むねあげ)、建前(たてまえ)、建舞(たてまい)ともいいます。私はさっき棟上げと呼んでましたね。どれも同じ意味です。

この儀式は竣工後も建物が無事であるよう願って行われるもので、通常、柱・棟・梁などの基本構造が完成して棟木を上げるときに行われます。棟木とは屋根の骨組みの一番高い部分です。もちろん儀式なのでその際、酒まいたり米まいたり施主様とお祈りしたりと色々あります。地域によってやり方が違うらしいですがやり方はうちも大体同じでした。魔よけのための幣束(へいそく)を鬼門に向けて立て、四隅の柱に酒や塩、米などをまき、天地四方の神を拝むといったやり方で、昔だと餅撒きとかもやってたんですが、今はめったにしませんね。

「建前の由来」

上棟のことを建前とも呼ぶと初めの方で説明させていただきましたが、この「建前」は『本音と建前』という、人の内心と外面の態度との違いを示すあの言葉の由来になったものです。

さて、その由来というのが昔、とある名工の棟梁(とうりょう)がいまして。その棟梁が明日が棟上という前の晩に、玄関の柱を短く切っちゃう失敗をしてしまうんですね。どうやっても直せないから棟梁は思い詰めて、色々ぶっとんで死のうと考えます。しかしそれを見て必死に棟梁の自殺を止めた奥さんが、寝ないで考えたのが、酒の枡(マス)を使って補修する方法でした。そうして無事、棟梁はその枡で柱の足りないところを補って事なきを得たわけです。ところ がどっこい、名工である自分の恥が表に出るのを恐れた棟梁は、自分の表向きの見栄や意地のために、奥さんを殺してしまうんです。

そして棟梁は、後になって自分の犯した罪を悔い、未来永劫、嫁さんを弔うと心に誓って女の七つ道具(口紅・鏡・櫛・かんざし・おしろい・こうがい・かつら)を棟の上に飾って供養したと言うのが始まりで、建前の儀式となったそうです。建前にこだわるあまり妻を殺してしまった男の見栄や意地に、 本音で応じた女の悲話が「本音と建前」の語源となったと言われています。

 

nishida西田

2016年5月26日
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